はじめに
私の仕事、デザイナーとしての”役割”について考えてみました。
私は今、デザイナーとしてクライアントワークをしながら、
Canva公式クリエイターとしてテンプレートを作り、
マーケティング会社では制作や組織づくりにも関わっています。
どの仕事にも共通しているのは、
“誰かにとって喜びをデザインすること”。
・・なんかざっくりですか?
でも、辿り着く先はこれ。
今回はそんな“自分の仕事の根っこ”を、改めて掘り起こしてみました。
「デザインってそもそも何をすること?」
「私にとって“デザイナー”とは?」
自分の言葉で、記録としてまとめておこうと思います。
デザインの“役割”って、なんだっけ?
「そもそもデザインの役割って?」
「デザインって、何のためにあるんだろう?」
長年デザイナーとして活動している人でも、
答えが出ては、また改めて考え直す——そんな問いかけでもあります。
目立たせるため?
美しく整えるため?
流行に乗るため?
もちろん、それらも大切な要素です。
でも、今の私にとってのひとつの答えは、
「伝えたいことが、ちゃんと伝わるように整えること」
そしてもうひとつ、
「それが、受け取った人の心を少しでも動かすこと」
——私は、
“整えること”と“喜びをデザインすること”を、両立させたい。
情報を引き出して整えて、最適なかたちへと表現して、
受け取っていった人の先の先まで行動や喜びが生まれてくれたら最高。
正解がないデザインに何度も苦しんできているであろう、デザイナーたちはみんなそれぞれのマイ回答やスタンスが培われているのだろうなと思う。



デザインの役割は“状況”によって変わる
マーケティングの現場にいると、
同じスキルでも、目的によって求められる役割がまったく違うことを痛感します。
そして、現場の価値観もさまざまです。
関係者間で表現の前段階に時間をかけれるようなそんな贅沢な現場ばかりではありません。
とにかくスピードが優先されることもあれば丁寧に、じっくり整えることが求められることもある
正解はひとつではない。だからこそ、目的や相手に応じて“どう使うか”がすごく大事。
ふたつのデザインのかたち
私が普段行っているデザインの仕事には、大きく分けて2つの届け方があります。
どちらも同じ「デザイン」だけれど、届ける相手や使われ方によって、求められる視点や設計がまったく違う。
誰かにとっての喜びをデザインするには、忘れちゃいけないふか~い、おおきな学びです。
クライアントワークのデザイン

クライアント一人ひとりに合わせて、オリジナルで最適な形をデザインする仕事。
クライアントと1対1で向き合い、オリジナルの形をつくる仕事では、
「何を、誰に、どんなふうに届けたいのか?」を一緒に整理するところから始まります。
一見当たり前のように思えるこのプロセスですが、
実際には曖昧なままスタートしてしまっていることも多く、
そこを丁寧に言語化し、構成・文章・ビジュアルの流れまで含めて整えることが、私の役割です。
「おしゃれに仕上げる」よりも、「ちゃんと届くように設計する」。
目立つより、安心して使ってもらえること。
そんな“整えて伝える人”として寄り添うのが、私のスタンスです。
何度もやりとりを重ねてようやくたどり着いた「これです!」という瞬間は、
言葉にできないくらい嬉しい。
一方で、正解がないからこそ、自問したり、迷ったり、フィードバックに苦しむこともあります。
BtoBのデザインでは情報設計に関してこれでもかというくらい言語化・見える化が求められて、
その試行錯誤の中で、自分の“整える力”が鍛えられてきたと感じています。
Canvaテンプレートのデザイン


たくさんの人が使いやすいように、誰でも編集できるテンプレートを届ける仕事。
一方で、Canva公式クリエイターとしての活動では、
“テンプレートというスタート地点”をつくる役割を担っています。
「うまく形にできない」「どこから始めればいいかわからない」
そんな人が迷わず手を動かせるように、
構成や視線の流れ、色の選び方など、細部まで意識して設計しています。
テンプレートは“完成形”ではなく、“使う人が完成させるための土台”。
だから私は、“使いやすさ”だけでなく、“気分が上がること”もすごく大切にしています。
「かわいい!」「これなら私でもできそう!」と思えることが、次の一歩になるからです。
SNSや資料で、ふと自分のテンプレートが使われているのを見かけたとき。
顔の見えない相手にもちゃんと届いていたんだなと実感する、ささやかだけどじんわり嬉しい瞬間です^^
Canvaの仕様やルールに沿いながら、
何度もフィードバックを受けて修正を重ね、
ときには完成が見えないまま手と頭を動かし続けることもあります。
でもその先に、
「これ、助かりました!」
「気に入ってます!」
そんな言葉をもらえるとき、デザインが人の力になれていると感じます^^
デザイナーと一言で言っても、役割はさまざま
ふたつのデザインのかたちからも分かるように
「同じ“デザイナー”という肩書きでも、担っている役割は全く違う」と感じるようになりました。
どれも素晴らしい役割です。
誰もが目にするような大手ブランドの広告やキャンペーンを手がけるデザイナーもいれば、
商品の魅力を最大限に引き出すビジュアルを生み出すアートディレクターもいる。

🌟画像保存したい方はPinterestで保存
一方で、私が個人事業で関わるのは、もう少し日常に寄り添った現場。
Canvaで発信を始めたい個人事業主さんのテンプレートを整えたり、
現場で使いやすい印刷物やWebサイトを制作したり、
“運用のしやすさ”や“継続して使えること”に重きを置いたデザインが多いです。
目立つ華やかさよりも、「誰かが使いやすい」「迷わず動ける」「伝えやすい」
——そんな設計や整備を支えるのが、今の私のデザインの役割かなと思っています。
私のこれまでの経験が、今の役割をつくっている
私はもともとデザイン専業ではありませんでした。
販促物の作成や業務改善、社内広報、新規事業など、さまざまな立場を経験してきました。
自分の作ったものが使われている現場で、あまりの使いづらさに落胆したことも何度もあります。
だからこそ、
見た目を整えるだけでなく、“伝え方”や“使われ方”まで含めて考える
そんな今の私の仕事スタイルは、経験の積み重ねから生まれたものです。
仕事以外の経験が、想像力と創造力を育ててくれる

Canvaの仕事をするようになってからは特に、日常の中で得た経験や感覚も大きく関係しています。
日々の暮らし、人との対話で気付いたことからテンプレートを作成したり、
日常の経験からこんなテンプレートあったら便利だろうな・・など。
遊び、趣味、旅 ──
そういう一つひとつの経験が、「こういう人が困ってるかもしれない」という想像力につながっています。
デザインは、“手でつくる”前に、“心で想像する”ことから始まる。そしてそれが創造を生む。
それが今はすごくしっくり来ています。
おわりに
私は、「私は何ができる人なのか?」を定義するときに、
スキルやツールの話ではなく、“誰に・どんな場面で・どう役に立てるか”を大切にしています。
すべてに共通しているのは、
「伝えたい気持ちが、ちゃんと届くように整えること」
そしてもう一つ、
「それを手に取った人が、少しでも嬉しくなったり、自信が持てたりすること」。
私は、“伝える”だけじゃなく、 “喜びをデザインする”人でありたいと思っています。
このブログは、自分の棚卸しとして書きましたが、
同じように立ち止まっている誰かのヒントになれば嬉しいです。


eve designでは用意しているサービス以外のデザイン制作も承っております。
まずはお気軽にお問合せください!